今週末からはじまる独立記念日連休に先駆けて、先週末は夫の愛車、通称ポルちゃんをピックアップしに出かけた。マンハッタンから出たのは実に5ヶ月ぶり。ニューヨークの街がpauseになる以前、コロナ騒動で世界の雲行きが怪しくなっていた2月半ばころから外出を控えていたのだ。
ニューヨークは冬になると路面凍結防止剤の塩化ナトリウムがこれでもかというくらい大量に撒かれるため、車体が傷む。それで毎年だいたい11月くらいから春にかけてポルちゃんは冬眠する。普段使っている車庫は、月極数百ドル。夫の車はスポーツカーなのでエキゾチック・カーとして分類され、さらに数百ドル加算される。小さなワンルームアパートくらいなら軽く借りられる額を車を仕舞っておくだけのために支払う気になれない。そんなわけで冬の間は比較的リーズナブルな郊外の個人宅の車庫を借りている。
夫は急に言い出すことが多く、今回も例に漏れず日曜のお昼すぎになって今日これからポルちゃんを取りに行きたいと言い出した。ゆっくりシャワーでも浴びようかな… などとおっとり考えていた筆者の頭の中は一瞬火山噴火寸前の怒りが沸き起こったが、冷静を装い、全米各地で感染再拡大しているいま、地下鉄に乗ることがどれほどのリスクを背負い危険に満ち満ちているかについてみっちり小一時間ほど言い聞かせ、100ドル近くかかるカーサービス代を渋っていた夫に車を手配させることに成功した。
なにせ我が家は夫と二人きり。猫2匹がシェルター行きになる事態は何があっても避けねばならない。もしものことがあってからでは遅いのだ。いつでも落ち着いて呑気ともいえる部分は夫の美点であり、筆者も急いで物事を済ませるのが好きではなく、どちらかといえばおっとり派なのだが、一歩間違えたら命取りになるかもしれない今回ばかりは、ふたりして以前と同じ調子ではいられない。夫には悟られぬよう、さりげなくイニシアチブをとっている。ダラダラと気を抜いても大丈夫なダメ人間生活ができる日々に早く戻りたいと思う日々だが、外に働きにいかざるを得ない人々や失業し不安を抱える人々もいるのに、甘えたことをぬかすでない!!!と自分に喝を入れるのであった。







<本日の一曲> Queen – Bohemian Rhapsody