ニューヨークは今週から再開Phase 2に入り、コロナ以前の日常を取り戻しつつある。だが個人的には再開以前の生活をしばらくの間つづける心づもりだ。
先週末、ニューヨーク州クオモ知事は111日間毎日欠かさずオンエアーしてきた記者会見を打ち切った。落ち窪んでしまった目の疲れ切った顔で会見最終日に臨むクオモ氏の姿は、長かった悪夢の日々を乗り越え、何とかここまでたどり着いたことをあらためて実感させ、感慨深いものがあった。
1日3000人もの死者が出ていた日々に比べたら、昨日今日の死者30人未満という数字は大したことないような印象を与え、人々の感覚を麻痺させる。だが、ゼロではない。それは何を意味するかというと、感染、場合によっては死に至る確率は0%ではなく、それは誰の身にも起こりうること、油断禁物ということ。
米国内では一番最後に再開にこぎつけたのがニューヨークだった。一足先に再開していたいくつかの州では今、感染が増加している。現にテキサスでは本日から再び外出自粛令が出るほどまでに感染急増している有様だ。ニューヨーク再開2週間後にあたる来週あたり、第2波がやってきても不思議ではない。
アメリカ国立感染症研究所所長であり、トランプ大統領にも臆することなく間違い発言をキッチリ訂正する頼もしいファウチ博士の見解によると、今後2週間の対応が重要になるとのこと。対応とは、具体的に何なのかを明白にしてもらいたい。人から人へ感染するウィルスなので、とにかく人々の移動を制限する以外に新規感染を防ぐ方法はない。それとも、このまま経済を優先し、感染者や死者のことは見殺しにするつもりなのであろうか。
新型ウィルスなのだから仕方ないことなのに、おそらくは人々がパニックに陥るのを避けるためなのだろう、ウィルス専門家を名乗る人々は未だ誰一人として正直に「わからない」と明言することは避け、不確かな感染予防法を打ち出すばかりなのが現状だ。
見解をコロコロと覆すWHOのいうことなど、もはやだれも信用せずに無視しているし、どの国の政府の言うこともあてにならない今、筆者にとって唯一頼りになるのは、コロナ震源地となったニューヨークに暮らしながらサバイブしている自分自身と夫が実践するシンプルな予防法だ。人混みを避け、外から持ち込んだ物すべてメチルアルコール含有率70%以上の液体で消毒し、手洗いを頻繁に行う。睡眠、適度な運動、栄養バランスの取れた食事。そしてなによりも、ストレスをためないよう工夫して楽しく暮らすことが一番有効な予防法なのではないだろうか。原点回帰。

生きながらえているのは、ただの幸運かもしれない。だが確かなことは、私も夫も猫たちも無事ということ。自分のperceptionが放つ光を頼りに、Pulp Fictionのミアさながら人生という音楽に身をまかせ、このまま我が道をひたすらつき進んでゆこう。
”Now I wanna dance. I wanna win. I want that trophy. So dance good.”




