年上のおんなともだち

子供のころから現在に至るまで、なぜか年上の女性にモテる。子供の頃家にひとりでいることの多かった私は、よそのお宅へ上がりこんではお菓子をいただいたりして、気ままに入り浸っていた。まるで何軒かの家でごはんのはしごをする猫のように。

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社長夫人と。グランドセントラル駅前にて。

過去の勤め先の社長夫人は、ニューヨークに単身赴任中の社長を訪ねてくるたびに社長と夫人と3人で連れ立ってよくディナーへ出かけた。夫人は、手作りのお弁当を差し入れてくださったり、着物を着せてくださったり、下駄まで揃えた浴衣一式を贈ってくださったり、まるで自分の娘のように目をかけてくださった。ある勤め先の同僚女性からは、ご自宅へ招待を受け手料理をご馳走になった。何品か食べ終わるたびに、〜も食べる?と張り切って料理してくださり、永遠とも思えるような数の皿が次から次へと登場した。若かりしころは、アルバイト先の女性たちからもご自宅に招待され、同じようなもてなしを受けた。

年齢を重ねた現在も、目上の女性からの人気は衰えない。元々は夫の知り合いであったA夫人。彼女はとある大富豪のご婦人。日本がベースの方だが、ニューヨークが大好きで、頻繁に訪れる。セントラルパークを一望できるご自宅にお邪魔すると、食事どきではなくとも何かしら手料理が待っている。外食にも実に頻繁に誘われるが、あまり外交的ではない私は10回に一度の割合くらいで応じる。ホテルさながらの日本のご自宅へも何度もお招きいただいているが、なにしろニューヨークから遠いので実現していない。彼女曰く、「うちはホテルなんかより数倍いいところよ」。

バレエスタジオに時々顔を出すアメリカ人のマダムたちから、よく話しかけられる。その一人Dawnは、発音しづらい私の異国の名を辛抱強く何度も聞き返しては一生懸命に憶えて、数か月後10回目くらいに会ったころ、ようやく上手に発音できるようになっていた。それ以来、挨拶のたびに嬉しそうに私の名前を呼ぶ。

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学生時代のオレ。よく同じ大学の写真学科の人に声をかけられて被写体になった。この写真は撮影の合間、ふざけてファンキーなヅラで。このころだったかな、NTTドコモのCMに織田裕二の相手役で出たのは。苦学生だったのでいいバイトになった。ちなみにタンクトップとベルトは私物ではアリマセン。こんなギャルっぽいのは私のシュミではない。

なぜ年上の女性からモテるのか。それはたぶん、私が口数少なく余計なことは言わない、人によってコロコロ態度を変えない、お世辞言わないかわりに言うことは全て本心… などが理由ではないかと思う。私が他人と自分を比較しないこと。それも重要な鍵を握っているだろう。言ってみれば、これらは私自身が友達になってもいいと思える人のディテールでもある。あるいは彼女たちにとって私は、ペットの動物に近い存在なのかもしれない。人間がペットに癒されるのは、ペットは喋らないからなのだとか…..!

フリーランスに転身するまえに3度転職したが、去るたびごとに『◯◯さんみたいな自然体な人にはなかなか出会えない』と皆さん寂しがってくださった。お別れの寄せ書きでびっちり埋まったカードはいまも大切に保管してある。ニューヨークでお世話になった人材派遣の方とたまにコンタクトをとると『いまだに◯◯さんのような方を紹介してほしいと前職場の人事部からリクエストがある』そうな。ありがたいことである。

私自身、目上の女性と過ごすのが好きだ。以前の投稿で既に触れたが、女とは、何かにつけて自分と他人を比較する生き物。そんなめんどくさい女の感情が苦手な中身はオヤジなオレ。仲良しを装いながら、意識的であれ無意識的であれ、妬み嫉みが言動に反映するという天邪鬼で感情的な生き物である女といるよりも、異性友達と遊ぶほうが好きだ。だが目上の女性は違う。祖母に育てられた私は、シワのある年配の女性の手を見ると、頬ずりしたいような衝動に駆られることがある。年配の女ともだち大歓迎。彼女たちといると、必ず教わることがあり有意義な時間を過ごせる。そしてなによりも、相手の気を透かし見えてしまうという厄介な感覚を持つ私にとって、年上の女ともだちといることは《おんなのいじわる》を感知して疲弊することなく、心から楽しい時間を共有できるのだ。

年齢を重ねる醍醐味は、いろんなことをある日突然目から鱗が剥がれ落ちるように自然に悟るること。だが、年をとるのがこわくなるときもある。それは自分がおばあさんになったら年上のおんなともだちがいなくなってしまうことを想像するとき。19歳から喫煙者であり、好きなように生きてきたので、それほど長生きすることは期待していないけれど、もしかしたら訪れるかもしれない老いの日々に備え、いまのうちに彼女たちからいろんなことを教わっておきたい。

<本日の1曲> ローリー寺西 – あなたに夢中

ロックに似合うようダイエットしてここまで細くなったという話をどこかで拾い読みして以来、ローリーが好きになった。私も大ファンのHedi Slimaneのデザインした細身のスーツをどうしても着たくて100kg近くもの体重を落としたというカール・ラガーフェルドのようではないか。

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