冬の支度

 

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Hedi Slimane

とある秋の日に入籍した。音もなく静かに降りしきる霧雨の日で、雨を好むわたしにとって良いお日柄であった。ライダースジャケットにHedi Slimane時代のサンローランのブーツというロックな出で立ちで「I do」をしたかったのだが、相方の革ジャンのスタイルが白シャツとどうにもマッチしなかったため、当日の朝急遽予定変更し、ふつうのドレスアップスタイルでゆくことになった。つまらないので、せめて足元だけでもとカラフルなパンプスを履く。

IMG_2007相方の幼馴染であり、わたしも大好きなカルバンがバンクーバーから駆けつけてくれた。もうひとり、私たち夫婦と親しいスティーブとその奥方にも声をかけたが、都合つかず欠席。東京在住の彼らにはるばるニューヨークまで来てもらうのは気が引けていたので、正直すこし安堵した。ハローウィンが近い時期だったので、3人でいろいろなところへ出かけイベントに参加したりなどニューヨークの秋を満喫した。

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カルバンからジャズを聴きたいとのリクエスト。10年ぶりくらいにブルーノートを訪れる。1ヶ月におよぶ出演期間が終わろうとしていたRobert Glasperのピアノを聴けたことは素敵な偶然であった。平日の雨天にもかかわらず満席。私たちも6人テーブルでカップルと同席させられ身動きとれないほど窮屈だったが、Robert Glasperが演奏の合間に挟む肩の力の抜けたMCと、彼のラッパーのような外見からは想像し得ぬ繊細なピアノに惹き込まれ、席の窮屈さは気にならなくなっていた。

音楽に耳を傾けながら、ジャズにハマっていた20代後半の頃のことにしばし思いを馳せる。あの頃親しかった日本人仲間内で、ジャズに詳しいI君がいた。彼自身も趣味でジャズベーシストとして活動していた。また同時期のルームメイトだったY君はラジオ局に勤務する音楽オタクで、彼が使っていた15畳ほどの部屋の壁4面埋め尽くしてもあまる程のCDやレコードを持っていた。彼らのおかげでジャズの名盤をはじめ、ロック、フュージョン、ボサノバ、レゲエ、スカ、オルタナ系、日本の歌謡曲に至るまで古今東西ありとあらゆる音楽の洗礼を受けた。これだけは絶対に聴いておかなければいけない、と彼らから伝授され贈られた名盤CDやレコードは今も大切に持っている。どれも本当に、いつ聴いても色あせない音楽ばかりで、彼らの音楽知識の深さには恐れ入るばかりだ。

ライブのあとはブルーノートから程近いBuvetteに寄るつもりでいたのだが、ライブが終わったときには夜中をまわっており、雨脚も激しくなっていたので、おとなしく帰ることに。帰りみち、タクシーの窓の外を過ぎ去る雨の摩天楼をぼんやり眺めながら音楽の余韻に浸っていたら、久々にLee Morganを聴きたくなった。

ニューヨークはもうじき厳しく長い冬にはいる。冬籠りのシーズンがはじまる前にCDの山を整理し、他の名盤も思い立ったらすぐ聴けるようにしておきたい。

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