西海岸からニューヨークへ移住し14年になる今も変わらず、リベラルなこの街が大好きだ。
マンハッタンに住む以前はクイーンズのAstoria(アストリア)という街で、猫たちと水入らずの気ままなボヘミアンライフを謳歌していた。今回はわたしがニューヨークで初めて住んだ街、アストリアについて書きます。
クイーンズ アストリア


アストリアへはマンハッタンから地下鉄で10分ほど。クイーンズボロ橋を渡ってすぐなので、夜遅い帰宅にはいつもタクシーを利用した。治安が良く住みやすいので人気が徐々にあがり、私が引っ越すころの家賃相場はマンハッタンと大差ないほどまでに高騰した。いまではhipな若者に人気のブルックリンを追い越し、アストリアが一番人気と聞く。
アストリアの野良猫たち
アストリアは古くからギリシャからの移民が多く、いまもギリシャ人が多く住まう。
ギリシャには野良猫がたくさんいて、その猫たちを人々は大切にしていると聞く。そのせいなのか、アストリアには野良猫がたくさんいて、人々がごはんをあげているのを頻繁に見かけた。わたしも猫のごはんを調達した帰り道には、袋から缶詰をいくつか取り出して道に置いておいた。パカっと缶を開ける音に誘われ近所の野良猫たちがどこからともなくゾロゾロと顔を出してくれるのを、いつもとても楽しみにしていた。
老舗のおいしいギリシャ料理店はもちろんのこと、ベトナム料理、ラーメン、お寿司屋さんにいたるまで色々な食を楽しめるのも魅力。ギリシャや東ヨーロパの食材専門店Euro Marketは、サラダのトッピングやパスタの具、ワインのつまみになるオリーブのオイル漬けやハム類などを買いによく立ち寄った。
おすすめカフェ Omonia Cafe

深夜まで賑わうギリシャカフェ『Omonia』は、近所だったので夜遅くにふらりと訪れてはギリシャの濃いコーヒーやFredo Espressoというギリシャのアイスコーヒーを楽しんだ。このカフェの良さは、1度オーダーしたら呼ばない限り放っておいてくれるところ。オススメは道に面したテーブル席。ただし、ここの料理はいまいちなので、あまりオススメしない。
ベトナム料理 District Saigon
ひとり暮らしだったので、現在よりもさらに外食率は高かった。よく利用していたのは、ベトナム料理店『District Saigon』。この店のチキン・フォ(きしめんのような平たい米麺入りのスープ)は、サンフランシスコのベトナム街といわれるテンダーロイン区にあった当時の人気店で食べたものに限りなく近い味。薄味仕立てのスープは魚醤で好みの塩加減に調整する。たっぷりトッピングされた鶏肉はオーガニックで「ちゃんと」鶏肉の味がして、添えられたパクチー、もやし、バジルは新鮮でシャキシャキ。いつも大きな器一杯をさらりと平らげた。
お寿司屋さん Kondo
月一くらいの割合で通っていたお寿司屋さんKondo。
いつでも混んでいて、寿司カウンターうしろでは、大将とお弟子さんとおぼしき男性2人が忙しそうに立ち働いている。新鮮なネタとともに丁寧に握られたお寿司は、ニューヨークでこのお値段でいただくのは申し訳ないくらいのクオリティだ。
天井が高く、ゆとりのある客席の間隔で、ゆっくりと食事をたのしめるのも魅力。オススメです!
マンハッタンに引っ越し数年たついまでも時々ふと、あの野良猫たちのことを懐かしくおもいだす。
<本日の1曲>敬愛するSpike Lee監督がチラリと一瞬だけ映ります。必見!Jay-Z feat. Alicia Keys – Empire State Of Mind