
ブロードウェイシアター街、タイムズスクエアからほど近く、8th Avenueから12th Avenue、59th Streetから34th Streetあたりまでのミッドタウンの一部が、Hell’s Kitchenと呼ばれる地域。
現在はClinton(クリントン)とも呼ばれ、高層コンドミニアムビル建設ラッシュが続くなか、昔ながらのタウンハウスや戦前の建物が立ち並ぶ落ち着いた雰囲気のブロックが健在する、古き良きニューヨークを感じられるエリア。
70年代後半、全財産35ドルを握りしめミシガンからマンハッタンにやってきたマドンナが生まれて初めてタクシーに乗り「世界の中心へ連れてって」と運転手に告げたところ案内されたのがタイムズスクエアだった、というのは有名なエピソード。
I’m tough, I’m ambitious, and I know exactly what I want. If that makes me a bitch, okay.– MADONNA


Hell’s Kitchen=地獄の台所という地域名の由来について、いくつかストーリーがある。ここでは、最も語り継がれ、おそらくは最も信憑性のあるお話を当時の写真を交えてご紹介。
19世紀中頃、ドイツとアイルランドからの移民1世達がニューヨークで最初にありつけた仕事が、ハドソン川沿いの船渠、貨物列車での労働だった。
当時は凶悪な犯罪がはびこり、劣悪な住環境など、その治安を指してHell’s Kitchenと呼ばれるようになったそう。
今では至って平和なヘルズキッチンですが、昔からニューヨークに住まう人々の話によると、治安が向上しはじめた80年代後半以前は、ヘルズキッチンに行くときは、タクシーを降りたら脇目もふらず目的地まで一目散に突っ走れ、といわれていたとか。

<本日の一曲>
Radiohead – Nice Dream