目覚めて、その日が雨と知ると安らかな気持ちで起きられる。
昨日は久しぶりに朝から晩まで雨が降り止まなかった。
少しだけ肌寒い、外出には薄手の上着が要るような雨の日が好きだ。雨の日は、よく散歩に出かける。雨に濡れた道が景色を映し出すのを視界に入れながら歩くと、知らない街にいるような錯覚に陥る。静まりかえった部屋で、車のタイヤが道の雨水を切って走り去るサァーという音に耳を澄ませたり、窓を強く叩きつける雨を眺めたり、雨の日に聴くとっておきの音楽で部屋を満たしたり。雨の日は、天候を言い訳に安心して家に閉じこもっていられる。
誰もがいつも急ぎ足で、時間までもがつられて目まぐるしい速さで過ぎ去ってゆくような喧騒の街ニューヨークも、雨の日は少しだけ静かになる。猫たちは、雨が降る日は眠り続ける。いつのまにか降り出していた雨に気づき、猫達が元気なかったことが腑に落ちることがある。なんでも雨の日は、猫の被毛が湿気を含み重たくなるので元気がなくなってしまうのだとか。
猫たちからスナックや遊ぶのをねだられないのは少し寂しいが、それでもやっぱり雨の日が好きだ。
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<本日の1曲>
Radiohead – No Surprises